子育て支援センターとは?特徴と保育士の役割
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「保育園ではない施設で保育士資格を活かしたい」と考える保育士さんも多いのではないでしょうか。保育士資格が活かせる職場の1つに、子育て支援センターがあります。子育て支援センターでは、「保育士の人手がほしい」と求人募集をかけているところもあります。転職を考えている人にとって、新しい可能性が広がるかもしれません。今回は、子育て支援センターの特徴や保育士の役割を紹介します。
子育て支援センターとは
子育て支援センターとは、子育て中の家庭を地域で支援するための施設です。公共施設や児童福祉施設のほか、空き店舗を利用して運営されています。
子育て支援センターの形態は大きく分けて「ひろば型」「センター型」「児童館型」の3種類あります。
- ひろば型…公共施設内スペースやショッピングセンター内の広場などを活用。子どもと保護者が集まり交流を図る
- センター型…児童福祉施設や公共施設を活用した施設。保育士など、専門知識を持ったスタッフが支援をおこなう
- 児童館型…児童会館や児童センターを活用。一般の来館者が来る前の時間を開放し、児童図書や遊具を使い親子が自由に参加する
子育て支援センターは、子育て家庭の孤立化を防ぐことが目的とされており、「地域交流の場」としても広く活用されています。
子育て支援センターの特徴
形態にかかわらず、共通している特徴を紹介します。
子育て家庭の交流の場
子育て支援センターは、保育園とは違い「交流の場」として提供している施設が多いです。積極的にイベントがおこなわれているところもあり、ママ同士が仲良くなる機会にもなっているようです。イベントには、次のようなものがあります。
- 絵本の読み聞かせ
- 動植物とのふれあい
- 遊具あそび
- お絵描き・ぬりえなどの体験
実施されている内容は、各地域や自治体によって異なるので、お住まいの地域の子育て支援センターで確認しましょう。
子育ての相談・支援
子育て支援センターでは、子育てに関するアドバイスや支援がおこなわれています。情報があふれている現代社会において、子育ての仕方に悩む保護者は多いです。
「うちの子だけ?」といった不安や「うまくいかない…」などの保護者の悩み・相談に対して、育児経験のある人や保育士など、保育の知識を持っているスタッフが話を聞き、サポートします。
人は話を聞いてもらえるだけで、いくらか気持ちが楽になるものです。保護者に共感したり、ときにアドバイスしたりすることで、悩みを抱える保護者にとって安心できる場所になるでしょう。
子育て関連の情報提供
支援センターのなかには、保護者向けの育児相談会や講習会を実施しているところもあります。子育て経験が浅いママ・パパにとっては、どうしていいのかわからない面も多数でてくることでしょう。こうしたときに、保育士や看護師など、専門知識を持ったスタッフと話せる場は、心強いのではないでしょうか。
また、地域の子育て情報を掲載したハンドブックが発行されるケースもあります。「保育園で保育をおこなう」とはまた違った役割が、子育て支援センターの特徴といえます。
子育て支援センターでの保育士の役割
子育て支援センターで働く保育士もまた、一般の保育園で働く保育士とは少し役割が違うところがあるので紹介します。
育児中の保護者の支援
1番異なる点は、「保育がメインではない」ところです。子育て支援センターは、いわば「地域交流」の場所。育児中の保護者が、普段の生活で抱えている不安を取り除いたり、イベントを通じて地域の人と関わりをもてるようにしたりするのがメインになります。そのため保育士は、子どもの保育メインではなく、保護者サポートをおこなうのが役割です。
イベント運営
イベントの運営も保育士の大事な役割です。こいのぼり作り体験や七夕など、季節のイベントだけではなく、ベビーマッサージ講習や親子で一緒に楽しむおもちゃ作りなど、保育士の経験や知識を活かして交流の幅が広がるようなイベントを企画します。
まとめ
子育て支援センターのおもな役割は「地域交流の場の提供」です。核家族化がすすみ、家で子どもと1対1で過ごしている保護者も多くなりました。そのなかで「子どもが泣き止まない」「どうしていいかわからない」「子どもの発達が遅い気がする…」と、我が子に対して不安を抱えたり・イライラしたりする人も増加。「育児ノイローゼ」という言葉がでてくるほど、深刻に思い詰めてしまう人もいますね…。こうした思いを発散できる場所・同じ思いを共有できる場所として子育て支援センターはあります。
「孤立化」になりがちな育児期間中は、「同じ悩みを抱えるママ・パパがいる」「相談できる専門スタッフがいる」という存在は大きいもの。保育士にとっては、専門知識が活かせる場でもあり、保護者に寄り添える場でもあります。保護者支援に興味のある保育士さんは、子育て支援センターへの転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。