保育士転職、わがまま条件はどこまでOK?

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佐藤代表
取締役

保育士転職で、給料やシフトの条件交渉は、どこまでやってもいいのでしょうか?難しい条件交渉について解説します。

基本的な条件の要望について

条件交渉の前に!

条件交渉の前に、しっかりと求人票を読み取ってください。交渉した場面で「書いてあるでしょう!」となっては、たちまち印象が悪くなります。
求人票には、難しい言葉が記載されていることもあるので、確認の上、応募することが大事です。「調整手当」「特別手当」「処遇改善手当」について理解していますか?「有給休暇」の日数は?「交通費」は全額支給なのか上限があるのか。「給食」は有料なのか?などなど。調べても分からないことは、メモをしておきましょう。

希望条件に可能な限り合う所に応募する

当然ながら、希望条件に数多く合う所に応募することが最優先です。条件交渉することを前提に選ぶのは、危険です。条件のいくつかは譲る気持ちも必要です。

保育士が交渉するための基本事項

勤務時間

働く上では、勤務時間は非常に重要な要素です。そのため勤務時間の交渉を希望する場合には、保育園と調整を行うことが必要になってきます。また、どのような勤務体系で働くかによって交渉できる部分が変わってきます。

例えば正規保育士の場合は、勤務時間の交渉は難しい傾向があります。これは、基本のシフトが決まっているために、1人の勤務時間を変更するためには他の保育士の協力が必要になってくるためです。このことから、保育士同士でのシフト交換が頻繁に行われている場合であれば、シフトの変更もしやすいといえるでしょう。まずは、正規保育士同士のシフト交換がどれだけ行われているかをチェックすることが必要ともいえます。

またパートの保育士として働く場合には、保育所の人員体制を考慮する必要があります。例えば「時間帯を限定して勤務してほしい」という場合には勤務時間変更は難しい場合も。ただし、パートの保育士同士で予定を決めながら進めていける環境であれば、勤務時間の希望も通りやすい傾向があるといえるでしょう。

休暇

休みに関して希望がある場合には、まず保育園の休暇制度をしっかりと確認しておくことが前提です。法定休暇と法定外休暇がどのようになっているかをチェックしましょう。

法定休暇とは、有給休暇や産前産後休暇、介護休暇、生理休暇といった「労働者の権利」で取得可能な休暇のこと。また、法定外休暇とは、慶弔休暇や下記休暇、リフレッシュ休暇など、保育園が任意に定めている休暇を指します。独自の休暇制度を設定している保育園もありますので、就業規則を確認してみてください。

正規保育士として働く上では、保育園のカレンダーが基本となり、そこに法定休暇と法定外休暇が加わるという形になりますので、例えば「土曜日は毎週休みにしたい」といった要望は通りにくいといえます。また、年度末や行事前などは休みが取りにくいという傾向があるといえるでしょう。

また、パートの保育士の場合には、園の要望と保育士の要望の兼ね合いによって勤務日を決めますので、その園の状況によって休みの希望が通りやすいかどうかが変わってくるといえます。

条件交渉のタイミング

保育士転職サイトと希望する条件を合わせる

まずは面接を受けたい保育園の休みや勤務時間について、求人票を見て確認します。その上で、自分が希望している休暇の基準や勤務時間を決め、転職エージェント(紹介会社)の担当者に伝えておきます。

あらかじめ伝えておくことで自分が希望している条件が常識の範囲内かどうか、という点についてもアドバイスがもらえます。さらに、面接に同行してもらうことで助け舟を出してもらえることもあるでしょう。

保育士転職サイトからあらかじめ保育園に希望条件を伝えてもらう

条件交渉のポイントとしては、あらかじめ保育士転職サイトの方から保育園に希望をある程度伝えてもらうことがポイントです。これは前もって伝えることによって、保育園側で判断できる状態にしておくため。このためにも、希望する条件を転職サイトの担当者に話しておくことが大切です。

面接での交渉はあり?

面接では交渉というより、確認をすることをおすすめします。条件交渉は内定までするなという意見もありますが、保育士はシフトや休日出勤などが当たり前にある世界です。そのようなことをきちんと確認してから決めるのが、お互いにいいと考えます。

また、条件面は求人票を読み込んでも分からなかったことを、確認しましょう。タイミングは、面接が一通り終わって「何か質問がありますか」と問われたときです。この時も、条件以外のことで疑問があれば、そのことを優先して、最後の最後に「勤務条件について、お聞きしてもよろしいでしょうか」と切り出します。聞きにくいことをお聞きします、という雰囲気で。

あくまで、面接ですることは「確認」です。シフトや休日については、ここで確かめておくといいです。それでいいかどうかの返答は、する必要はありません。確認して持ち帰り、再度検討するという姿勢です。

内定後の交渉で気を付けること

内定が出ると、「内定承諾書」「雇用契約書」「労働条件通知書」などに互いにサイン押印をして、契約となります。「労働条件通知書」をしっかりと読んで、給料などを確認しましょう。ここで交渉となるのですが・・・

給料の交渉は、保育士の場合は特に難しいと思ってください。保育士は、他の経験や資格を持っていても、それがどの程度役に立つのか、他者との差別化が難しいからです。実際に働いてもらわないと評価できないのです。どうしても給料を上げて欲しいのなら、その根拠をしっかりと示す必要があります。

園の方にすれば、この給料でいいからここに応募したんですよね、という姿勢です。給料アップは、そこに貢献することで実現していくことが基本です。

交渉してもいい条件は、「入社日」です。内定が出ないことには、現職に退職を告げることも難しい場合がありますよね。退職届は1カ月以上前に出すのが通例です。子どもたちも関係することですから、できるだけ迷惑をかけることなく引継ぎを終えたいものです。確実に入社できる日を伝えましょう。

保育士転職で給料の条件交渉はしにくい傾向がある

理由①応募者の実力によって保育園の収益は変動しないため

まずは保育士としての実力があったとしても保育園自体の収益は変わらない、という点が理由として挙げられます。認可保育園の場合、園児から支払われる保育費が直接収入につながるわけではなく、市区町村から支払われる運営費によって保育園が経営されているため(保育費は市区町村の収入となります)です。

運営費は園児数によって支払われるため、優秀な保育士を採用したからといって収益が上がる、というわけではないことが、給料に関する交渉がしにくいひとつめの理由として挙げられます。

理由②保育士の実力がわからないため

また、もうひとつの理由として、まだ採用していない状態では応募者の実力がわからない、ということもあります。このことから、面接の時はもちろん、内定をもらった後にも給料に関する条件交渉はしにくいといえるでしょう。

例えば、求人票の給与欄に「経験による」と書いてあった場合には、実際に勤務した状況を見ながら考慮していくということ。採用された保育園に貢献したのであれば、条件の交渉もしやすくなるでしょう。

条件交渉まとめ

条件交渉は、なかなかハードルの高い難しいものです。やり方によっては、図々しい人と思われかねません。
先に述べたように、交渉する前に求職票などで提示されている項目をしっかりと確認することが、大切です。

保育士専門転職アドバイザーがついているなら、求職する段階から自分の希望は細かく伝えておきましょう。応募前に交渉してくれる場合もあります。条件交渉のタイミングや交渉の仕方も熟知しているので、相談してみましょう。担当者と親しくしている園も多いので、条件交渉もしやすいという面もあるのです。

監修:Simple株式会社からワンポイントアドバイス

佐藤さん

しんぷる
保育
佐藤代表
取締役

comment

条件については面接前にあらかじめ「キャリアアドバイザーさんに要望をできるだけお伝えしておく」ことが重要です。

自己判断での条件交渉は避けるのが無難です。保育園の方針や、採用担当の個性など、総合的な判断の元で、キャリアアドバイザーさんが「どこまで自身で聞いてよいか」「キャリアアドバイザー経由で確認した方が良いか」を事前にアドバイスしてくれます。

もちろん、面接中に「これもあったらよいな」という条件が思い浮かぶかもしれません。この場合は、聞いてよいのか判断をその場でせず、面接後にキャリアアドバイザーさんに相談するのがよいかと思われます。

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