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子どもに何かわかってもらいたくて話しかける時、無意識に「曖昧言葉」を使ってはいませんか?「ちゃんとしようね。」「いい子にしようね。」など、家庭はもちろん保育の現場でもつい使うことの多い言葉ですが、実はこうした曖昧な表現では、大人の意図が子どもに伝わりにくくなってしまいます。
「曖昧言葉」とは、「しっかり」「ちゃんと」「そんなこと」「いっぱい」など、具体的でない言葉の表現方法を指します。日常でもよくつかわれる表現方法ですが、保育士が子どもたちに何か伝えようと思った時には、曖昧言葉は使わないほうが良いとされています。なぜ曖昧言葉は子どもに何か伝える時に適さないとされているのでしょうか。
曖昧言葉が子どもに何か伝える時に適さない、とされている理由の一つが「イメージの共有が難しい」という点です。曖昧言葉は文字通り具体的ではない曖昧な言葉なので、伝える方と伝えられた方では言葉に対するイメージが異なっている可能性があります。それが小さい子どもが相手では、なおのこと。子どもが曖昧言葉から受け取ったイメージと、本当に伝えたいことが違ってしまい、「さっきちゃんとしてって言ったよね?なんでちゃんとできないの?」と怒ってしまった、という経験のある方は少なくないのではないでしょうか。
曖昧言葉で保育士が何か伝えようとしても、特に言葉の理解が苦手な子どもたちは、保育士が伝えたい意図を適切に受け止めることができず、フラストレーションを抱えてしまう可能性があります。保育士の方も無意識に曖昧言葉を使ってしまうことがあり、なぜ子どもに意図が伝わらないのかと、イライラを募らせてしまいがちです。つまり曖昧言葉でのコミュニケーションは、子ども・保育士双方ともフラストレーションを抱えてしまう、あまりよろしくない状況になってしまいやすいのです。
子どもに何か伝える時には曖昧言葉だと意図が伝わりづらく、スムーズなコミュニケーションが取りにくい傾向があります。では、子どもに正しく伝えたいことを伝えられるようにするには、どういった点に気を付けていったらよいのでしょうか。
子どもに何か伝える時は、曖昧な表現ではなく何をどうしてほしいのか、わかりやすい言葉で具体的に伝えていくことが大切になります。例えば、「ちゃんと片付けて」だったら「おもちゃ箱に片付けて」と言葉をより具体的にしていくことで、子どもたちにもより明確に保育士の意図が伝わり、行動に移してもいけるようになるそうです。ですので保育士も、子どもたちに理解しやすい言葉でわかりやすく、具体的に伝えられる工夫をしていきましょう。
伝えたいことを具体的に言葉にして表していくのはもちろん、もう一つ気を付けたいのが「なぜそうしてほしいのか」という理由も伝えるようにしていくという点です。例えば曖昧言葉を使った「ちょっと静かにしましょう」という表現よりも、「今は静かにしましょう」と言った方が具体的で伝わりやすいといえます。そしてそこからさらに一歩踏み出すために、「○○だから今は静かにしましょう」と理由もつけてあげましょう。なぜ静かにしなければならないのか、その理由がわからなければ子供は本当の意味で保育士が言ったことを理解したとは言い難く、一時静かになったとしてもまた繰り返してしまう可能性が高いそうです。でも理由がわかれば納得して行動に移してくれますし、保育士が伝えたいこともより正確に受け止めやすくなるといえるのです。
保育士として子どもにきちんと伝えているつもりでも、声掛けの言葉のチョイスを誤ってしまうと、伝えたいことが伝わりずらくなり、そのことで子どもも保育士もフラストレーションを抱えてしまう結果が待っているかもしれません。何か伝える時は自分基準ではなく、子供基準で言葉選びをしていくことが大切です。明確に具体的に、それを基準にして伝える工夫をしていきましょう。
そしてもう一つ、子どもに何かを伝える時に気を付けたいのが、自分が言ったことを「子どもは理解している」と思い込んでしまっていないかという点です。そうした思い込みを払拭し、保育士が「もしかしたら伝わっていないかもしれない」という視点で子どもたちの様子を観察できれば、「なんでできないの」とイライラすることも軽減され、また子供に合わせた柔軟な対応もしやすくなると思われます。
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