保育園の生活発表会のねらいとは？
開催時期や成功させるコツも紹介

保育園の3大行事のひとつである生活発表会。何か月も前から準備を始める園も多いのではないでしょうか。生活発表会は、子どもたちの1年間の成長を保護者に披露する場なので、11月以降に多くおこなわれています。今回は、保育園の生活発表会のねらいや開催時期、成功させるコツを紹介します。

生活発表会のねらい

生活発表会のほか「おゆうぎ会」という呼び方をする園もありますね。ねらいには、以下のようなものが挙げられます。

達成感を味わう

子どもたち自身が達成感を味わうことができます。生活発表会当日までの間、子どもはさまざまな準備や練習をします。歌や劇を覚えたり、合奏の練習をしたり。「ただ遊んでいる」のではなく、生活発表会で披露するのを目指して、コツコツと練習を積み重ねているのです。当日、今までの頑張りを披露することで、「満足感」や「達成感」を味わうことができます。「目標に向かって頑張ることの大切さ」を学ぶこともできるでしょう。

表現力や協調性を育む

歌やダンスなどを自分なりに表現することで、想像力や表現力が育まれます。また合奏や劇には、協調性が必要ですね。友だちと協力し合わなければ、成功することができません。表現力や協調性を育むのも、生活発表会のねらいのひとつです。

保護者に子どもの成長を感じてもらう

子どもだけではなく、保護者へ向けたねらいもあります。保育園で預かっている子どもは、両親共働きが多いです。そのため、保護者は園での子どもの様子を見る機会がほとんどありません。また、子どもの成長を実感できる機会も少ない傾向にあります。生活発表会で子どもたちの成長を披露することで、保護者にも子どもの成長を感じてもらうことができます。これもまた、大事なねらいといえるでしょう。

生活発表会の開催時期

生活発表会・おゆうぎ会は、子どもの1年の成長を見せるため、11月以降におこなっている園が多いです。園の規模にもよりますが、未満児・以上児ともにおこなう園、以上児クラスしかおこなわない園など、さまざまなスタイルがあります。今回担当させていただいている私（保育士経験者）が以前勤めていた保育園では、未満児と以上児の日にちが別々でした。また会場も、保育園とは限りません。大規模保育園では、大きなホールを貸し切って大がかりに開催するところもあります。

生活発表会を成功させるコツ

生活発表会を成功させるために、以下のようなことに意識してみましょう。

子どもの役割を平等にする

子どもの役割を平等にしましょう。たとえば、始まりの言葉と司会役など、目立つ配役をする子が同じだった場合、保護者から「あの子ばかりでは？」と思われかねません。どの子も、1度はスポットライトが当たるよう考慮しながら決めていきましょう。また、平等にするのは以上児クラスだけとは限らず、未満児クラスでも同様です。未満児クラスでも「おゆうぎ」をします。ダンスの際の子どもの「立ち位置」を気にする保護者は結構います。「あの子、今年もセンターなの？うちの子は去年も端っこだったのに…」と不満に感じる保護者もいるので、安易に立ち位置を決めるのは厳禁です。生活発表会を楽しみにしている保護者も多いので、想定できるトラブルは未然に予防策を立てておくのも、ひとつの手段です。

子どもが楽しく取り組める工夫をする

「生活発表会をなんとしても成功させたい」と思うのは、保育士として自然なことだと思います。しかし厳しすぎる指導は、子どもから「楽しさ」を奪ってしまう恐れがあります。練習するのが嫌だから保育園に行きたくない、という考えにつながる可能性も考えられます。あくまでも主役は子どもたちです。発表会が終わった後、「たのしかったねー」と子どもたち同士が笑顔で話せるよう、できるところを認めて伸ばしていきましょう。また毎日しすぎると、子どもが飽きてしまう姿も見られます。「ダラダラしてきたな」と感じるようなら、1度、練習をやめてみるのも手です。子どもたちの様子をみながら進めていきましょう。

当日の急な欠席も想定しておく

生活発表会の開催時期は11月～2月ごろと、感染症が流行る時期でもあります。そのため、胃腸炎やインフルエンザなどで、子どもが急に体調を崩してしまうこともあります。園によって、年長さんの場合は「最後の表現会だから…」と、子どもが出演するプログラムの時間のみ参加させるところもありますが、休まざるをえないケースもあるでしょう。急な欠席があっても問題なく進められるような段取りを組んでおきましょう。

まとめ

劇やおゆうぎの衣装づくりのほか、大道具・小道具作り、プログラム作成など、行事の中でもとくに制作物が多く、大変な生活発表会。数か月も前から準備し、子どもたちと練習を重ねる保育士さんも多いでしょう。ときには子どもと一緒に「練習をオフにする日」を設けるのもありです。楽しみながら当日を迎えられるといいですね。