保育士が知っておくと便利なペープサートとは？
保育で使えるアイデアを紹介

保育士が知っておきたい「ペープサート」について紹介していきます。すぐに使えるアイデアもあわせて掲載しているので、ぜひ保育を行う際に役立ててください。

ペープサートとは？

ペープサートとは紙人形劇のことです。裏と表に違う絵柄を描いて、幼児向けに分かりやすく物語を進めていきます。ペープサートは人形劇と異なり、割りばしと画用紙があればできるため、時間が取れない保育士さんでも実施しやすい遊びだといえます。

ペープサートのアイデア集

ここからは、ペープサートのアイデアを紹介していきます。今すぐに使えるアイデアばかりなので、室内保育を実施する際に取り入れてみましょう。

1. はだかの王様

「はだかの王様」は、ペープサートを作りやすい物語です。表面にはだかの王様を描き、裏面に服を着ている様子を描くと、物語を再現できます。服を着ている時とはだかの時のギャップが、園児達を釘付けにするでしょう。主な登場人物は5人で、5つの紙人形を製作するだけで物語を演じられます。

はだかの王様は、昔から子ども達に人気の高い物語です。嘘をついたらどうなるのか、周りと合わせるのが正しいことなのか、子ども達に考えてもらう良いきっかけになるでしょう。

はだかの王様
著者：ハンス・クリスチャン・アンデルセン

2. みにくいアヒルの子

「みにくいアヒルの子」は、つくる紙人形が少なくて済むので、製作時間が取れないときにおすすめです。登場人物は、みにくいアヒルの子・アヒルのお母さん・アヒルの子の兄弟・白鳥だけで済みます。みにくいアヒルの子の裏に白鳥を描くと、育った際のシーンをより印象的に演出できます。また、アヒルの子の兄弟の裏に、白鳥達を描くと何個も紙人形を作る手間が省けるでしょう。

みにくいアヒルの子は、感動する物語なので、1～5歳まで幅広い年齢の子ども達の心を惹きつけられます。人とは少し違うかも知れないと悩んでいる子にも、他と違っても大丈夫だと、前向きに考えてもらうきっかけになるはずです。

みにくいアヒルの子
著者：ハンス・クリスチャン・アンデルセン

3. うんちしたのはだれよ

「うんちしたのはだれよ」は、1993年11月の発行以来、ロングセラーの絵本です。うんちがテーマの作品で、擬音が多く登場するため、子ども達が最後までワクワクしながら見てくれるでしょう。モグラ・ハト・馬・うさぎ・やぎ・牛・豚・ハエ・犬といった具合に登場するキャラクターが多く、ペープサートにするのは大変ですが、喜ばれること間違いなしの物語です。

うんちしたのはだれよ！を通して、子ども達にうんちに興味を持ってもらうと、トイレトレーニングに役立つでしょう。トイレを怖がってできない子も多いので、明るく笑い飛ばせる物語で親しみを持ってもらうのがおすすめです。

絵本「うんちしたのはだれよ！」
作： ヴェルナー・ホルツヴァルト
絵： ヴォルフ・エールブルッフ
訳： 関口 裕昭

4. おむすびころりん

おむすびころりんは、作中に出てくるキャッチーな歌が、子ども達を惹きつける作品です。主な登場人物は、おじいさん・おにぎり・ネズミたち・よくばり爺さんなので、ペープサートを作りやすい物語だといえるでしょう。表面にはにこやかにほほ笑むおじいさん、裏面にはつづらを持ったおじいさんを描くと、物語をスムーズに進行することができます。

おむすびころりんは、作品を通して騙すのはいけない、欲張るのはいけないと学ぶことで、倫理観を養うのに役立ちます。また、子ども達が日頃から親しみのある“おにぎり”が登場するので、最後まで関心を持って聞いてくれる可能性が高まります。

絵本「おむすびころりん」
著：よだじゅんいち
絵：渡辺三郎

5. おおきなかぶ

おおきなかぶは、一人、また一人と登場人物が増えていく作品です。おじいさん・おばあさん・孫・犬・猫・ねずみ・おおきなかぶの8つの紙人形を作る必要があります。あおれぞれ表面には登場人物の困っている表情、裏面には喜んでいる表情を描いておくと、引っこ抜く前と後の表情の変化が分かりやすいでしょう。かぶは、表面が土に埋まっている様子、裏面は引っこ抜けた様子を描くのがおすすめです。

おおきなかぶは、一人では無理な事もみんなで力を合わせると、成し遂げられると学べる作品です。劇をしながら、子ども達にも「うんとこしょ」「どっこいしょ」と掛け声をしてもらうと皆で楽しめるでしょう。

絵本「おおきなかぶ」
再話： A・トルストイ
訳： 内田 莉莎子
画： 佐藤 忠良

ペープサートを作って子ども達に楽しんでもらおう！

絵本を朗読するのも子ども達は喜んでくれますが、たまには趣向を凝らしてペープサートを作ってみてはいかがでしょうか。ペープサートは実際に紙人形を動かして物語を伝えるので、絵本よりもより物語が頭に入ってきやすくなります。また、歌などのパフォーマンスも取り入れられるため、飽きっぽい子ども達も最後まで聞いてくれる可能性があります。