保育士が知っておきたいパネルシアターとは？
保育で使えるアイデアを紹介

保育士が知っておきたい「パネルシアター」について紹介していきます。また、室内保育で直ぐに使えるアイデアも掲載しているので、ぜひ実践してみてください。

パネルシアターとは？

パネルシアターとは、ボードに紙やプラスチックで作った人形を貼りつけながら物語を進めていくパネル式の劇です。ペープサートと違う点は紙人形を持たなくて済む点で、保育士一人でも行うことができます。あらかじめ人形を作っておくと、すき間時間にパネルシアターを楽しめるようになります。

パネルシアターのアイデア一覧

パネルシアターのアイデア例を紹介します。何の題材を演じてよいか分からない場合は、下記のテーマを参考にしてみてください。

1. 歯磨きをするための指導

乳歯が生えてきている子ども達のクラスでは、歯磨き指導のパネルシアターを行うのも一つの手です。甘いものを食べた後に歯を磨かないとどうなるのかを、物語形式で解説していきます。子ども達に楽しんでもらいながら、歯磨きの大切さを伝えられるでしょう。

2. 災害時のための指導

災害が起きた時に、どうすればよいかをイラストを使って分かりやすく園児に説明します。災害の時は揺れなどが起こって、電気・水が使えなくなる可能性があると伝えておくと、災害時に子ども達を必要以上に怖がらせてしまう心配がありません。日頃から繰り返しパネルシアターを通して伝えておけば、災害時に園児がパニックに陥るリスクを低減できるでしょう。

3. 食事とトイレの指導

食に興味が出てくるまでは、食が細い子ども達もいます。食に興味がない子、食べムラが多い子のために、食事とトイレの関係性を説明しておくのも良いでしょう。パネルシアターで体の中がどうなっているのかを解説して、食事をとってうんちとして出てくるまでの一連の流れを説明します。食事をとらないと、うんちとして出てこない点を説明することで、子ども達の興味ややる気を引き出せるかもしれません。

4. 三びきのこぶた

三びきのこぶたは、パネルシアターをするのに丁度良い題材だといえます。建てた家が吹き飛ばされたり、燃やされたりするところが、子ども心をくすぐる作品です。視覚的に楽しめるので、子どもも飽きずに聞くことができるでしょう。登場人物はお母さんぶた・長男こぶた・次男こぶた・三男こぶた・おおかみですが、他にもワラの家・木の家・レンガの家を製作する必要があります。

三びきのこぶたを通して、子ども達は堅実に物事を進める大切さを学べるでしょう。面倒くさいからとやっつけ仕事をしていると、後悔をする可能性があると学ぶきっかけになります。

絵本「三びきのこぶた」
作： （イギリス昔話）
絵： 山田 三郎
訳： 瀬田 貞二

5. ともだちや

ともだちやは、子ども達に友達とは何かを考えさせる、きっかけになる物語です。登場するのはキツネ・クマ・狼で、他にも作中に出てくる小道具などが必要になります。損得なしで友達をつくる大切さを子ども達に伝えられるでしょう。

ともだちやは、子ども達にどうして友達を大切にするのかを、気づかせるのに役立ちます。あれこれと言葉で友達の大切さを説いても、小さな子には伝わらないことが多いので、物語形式で伝えた方が理解してもらいやすいでしょう。

絵本「ともだちや」
作： 内田 麟太郎
絵： 降矢 なな

6. ねないこだれだ

ねないこだれだは、おばけとおんなの子が登場する物語です。おばけの世界を楽しく描いた作品で、怖いもの見たさで子ども達も関心を持って聞いてくれるでしょう。おばけのような形はペープサートで再現するのは難しいですが、パネルシアターだと思う存分世界観を表現できるのでおすすめです。

ねないこだれだを通して、子ども達はなぜ眠るのかを学べるでしょう。おばけが来るから寝ないといけない、と脅かす物語ではないので楽しく演じるのがポイントです。

絵本「ねないこだれだ」
作・絵：せなけいこ

パネルシアターを演じる時の注意

パネルシアターでは、絵本を題材にして演じるケースは少なくありません。しかし、絵本を題材にする場合は、子ども達を怖がらせないように気を配る必要があります。たとえば、三びきのこぶたも、ねないこだれだも、演じ方によっては子ども達は怖い物語として認識してしまいます。家にいるのが不安になったり、眠るのが怖くなったりする恐れがあります。

結末が怖い物語もあるので、何を演じるにしても、明るく華やかに演じるようにしましょう。怖がらせなくても、子ども達にはきちんと大切な部分は伝わります。一度トラウマになってしまうと、本やパネルシアター自体が嫌いになってしまう可能性もゼロではありません。園児達が最後まで楽しく聞けるように、楽しく明るく演じましょう。