【保育士必見】保育における
二項関係・三項関係を解説

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「二項関係・三項関係」をご存じでしょうか?難しく感じるかもしれませんが、実は身近な言葉であり、乳児期の子どもの発達においても重要なものです。今回は、保育における二項関係・三項関係について解説します。

乳児とのコミュニケーションのイメージ

二項関係とは

二項関係とは、ある特定の対象と「1対1」で関係を結んでいる状態を指します。 たとえば、次のような関係が挙げられます。

  • 子どもと母親
  • 子どもと父親
  • 子どもと保育者

泣いたときに抱っこしてもらえる、目が合うとニコッと笑ってくれる、不快を取り除いてくれる、などがありますね。また、子どもと1対1である対象は人とは限りません。

  • ぬいぐるみを抱っこする
  • ガラガラの音を聞く
  • ベッドメリーをじっと見つめる

上記のような「子どもと物」の関係も、二項関係に含まれます。二項関係の時期の乳児は、「愛着形成」の時期ともいわれています。すべてが「子ども・大人」「子ども・物」の世界で完結しており、抱っこなどのスキンシップを1対1でしてもらうことで、「この人は安心できる」「自分は愛されている」と肌で感じ取ります。自分が愛されていると「満たされる」時期は、人格形成の基盤ともいえる重要な時期です。

三項関係

二項関係の時期から少し成長すると、「子ども・大人・物」の3つの関係でのやりとりが始まります。これが、三項関係です。 例を挙げてみましょう。

  • 「ちょうだい」「どうぞ」のやりとり
  • 「ちょうちょきたね」と指さすと一緒に見る
  • 「ひこうき見えるね」というと、空を見上げる

このように、特定の人・特定の物の両方に意識が向けるのが三項関係です。「三項関係」というと、難しく、わかりにくいと感じますが、「気持ちや言葉のキャッチボール」だと考えるとイメージしやすいかもしれません。また、言葉ではなく、表情から読み取ることができるのも三項関係に含まれます。たとえば、赤ちゃんが「ポット」を触ろうとしたとします。お母さんが、とっさに「あっ!危ない!」と大きな声をだすと、赤ちゃんは手を引っ込めるでしょう。言葉を理解していない子でも、表情や声のトーン、雰囲気を読み取って判断しています。これも三項関係が始まっているからこそできることですね。

二項関係・三項関係は大切

子どもたちの成長において、「二項関係」「三項関係」の時期は、言葉の獲得やコミュニケーションをおこなううえで基礎となる、非常に重要な時期。二項関係がうまく結べないと、三項関係へステップアップしてもうまく関係を築くことは難しいです。三項関係が結べていないと、コミュニケーションに差も生まれます。保育園の中にも、さまざまな子どもたちがいますよね。1歳児でも、2歳児並みに話し上手な子もいれば、話せるようになるまでに長く時間がかかる子もいるのではないでしょうか。こういった背景にも、二項関係・三項関係の時期が関係しているといえます。子どもによく話しかけていた、子どもと向き合い話しを聞いていた家庭の子は、園でもよく話し、友だちとうまくコミュニケーションがとれている傾向があります。

気になる子について

三項関係は、コミュニケーションの土台となるものです。保育園で勤務していると「なんか気になるな…」と感じる子どもにも出会うことがあります。言葉のキャッチボールができない、物事の共有ができないなど、うまく関係を築けない子の場合、注意して見守る必要があります。自閉症やADHDなど、発達障害の子どもは三項関係が成立しない子が多いといわれています。とはいえ、未満児の間は個人差も大きく、判断を下せるものではありません。子ども自身の性格・体質から成立しないのか、家庭での関わりが少ないために遅れているだけなのか、どちらの可能性もあるのです。三項関係が成立しない子に対しては、その子の興味のあるものに寄り添ってみましょう。保育士の関わりで成立するようになるかもしれません。

まとめ

最近は、テレビやインターネットが普及し、テレビだけではなくスマホからいつでも動画が見られるようになりました。各家庭において、それぞれの事情があるので「テレビやスマホを見ないように」と否定はできませんが、テレビやスマホを見ていても、三項関係は築けません。なぜなら、一方通行だからです。子どもが「どうして?」と投げかけても、テレビからの返事はなく、そのまま流れていきますよね。それでは、コミュニケーションは築けません。子どもが中学生・高校生になったとき「人とうまくコミュニケーションがとれない」と悩んでしまうかもしれないのです。保育士は、サポートはできますが保護者に代わって親にはなれません。子どもたちのために、保護者に「子どもと向き合って話しをする時間はありませんか?」と、子どもとの関わり方をもう1度見直してもらえるよう働きかけていく役目も、担っていかなければならないのかもしれません。

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