保育士が知っておきたい
「ひなまつり」の意味と楽しむ方法を紹介

保育士が知っておきたい「ひなまつり」について紹介していきます。季節を感じられる大事なイベントなので、ぜひ保育園でひなまつりに関する遊びを取り入れてみましょう。

ひなまつりとは？

ひなまつりは桃の節句とも呼ばれますが、女の子の健やかな成長・健康を願って、3月3日に行われる行事のことです。毎年3月3日に行われる理由は、古代中国では奇数が重なる日にお祓いや備えをする風習があったからだと言われています。子どもの日が5月5日に行われるのも、奇数が連なる日となっているためです。

ひなまつりで飾る人形の意味

ひな人形は、七段・五段・三段・親王飾りの4種類があります。最近では、親王飾りが増えていますが、親王飾りとは男雛・女雛の飾りのことです。親王飾り以外は、男雛・女雛の他にも人形や道具を飾り付けます。ここからは、ひなまつりで飾る人形の意味について紹介していきます。

1. 三人官女

三人官女は、女雛についている女官で、身の回りの生活管理から雑務まで一通りこなす女性の人形です。女雛が幼い頃から世話をしている人達で、結婚式でもサポートをする役割を担っています。親王飾り以外の三段飾り・五段飾り・七段飾りに登場する人形となります。

2. 五人囃子

五人囃子は、結婚式で演奏する役割を担っている人形達です。4人が楽器を演奏し、一人が座って唄っています。口を一文字に結んでいるのが太鼓を演奏している人形で、立って口を開いている人形は大皮と呼ばれる絵のない鼓を演奏しています。

同じく立ち姿で口を閉じている人形は、絵柄がある鼓を演奏しているのが特長です。最後に、座って口を閉じている人形は、笛を演奏していて穏やかな表情をしています。三段では飾られていませんが、五段・七段では飾られている人形です。

3. 随身

随身は、左大臣・右大臣と呼ばれる人形で、男雛・女雛を守る役割を担っています。年老いた人形が左大臣、若者の人形が右大臣です。女雛を守るのが左大臣で、結婚した女性ということで若い男性を近く置かないように配慮されています。五段・七段で飾られています。

4. 仕丁

仕丁は庶民で、掃除や外出に必要な道具を持っています。掃除道具か、外出に必要な道具のどちらを持っているかは人形によって異なりますが、それぞれ笑い・泣き・怒りの表情をしています。女の子が表情豊かに育つようにと、願いが込められている人形です。五段・七段飾りで登場します。

5. 道具

7段飾りでは、嫁入り道具やお輿入れ道具が飾られています。男雛が用意した結納金を使って、女雛の親が嫁入り道具を準備しています。お輿入れ道具は、高貴な人が移動する手段として用いられる道具です。

ひなまつりでお雛様を飾ろう！

ひなまつりでは、お雛様を飾る保育園が多いですが、大体1カ月前の2月3日から3月中旬まで1カ月半ほど飾るのが一般的です。少しでも長く飾って、子ども達に季節の移り変わりを楽しんでもらいましょう。1日前に飾るのは縁起が良くないため、それよりも前に飾っておくのがおすすめです。

京雛・関東雛で飾り方が異なるので注意

お雛様を飾る時は、京雛・関東雛で飾り方が異なります。京雛は右側に女雛、関東雛では左側に女雛を飾ります。京雛は左上位、関東雛は右上位なので飾り方を間違えないようにしましょう。

ひなまつりの準備を園児と一緒に楽しむ

ここからは、園児と一緒に楽しみたい「ひなまつりの準備」について紹介していきます。園児達にもぜひ参加してもらい、楽しみながら準備を進めましょう。

1. 男雛・女雛をつくってみる

半紙に赤や青の色水を吸わせて、男雛・女雛の着物を作ります。男雛の着物は青系統の色、女雛の着物は赤系統の色にするのがおすすめです。紙コップを逆さまに立て、周りに色を吸わせて乾かした半紙を貼りつけます。着物の部分なので、右前になるように貼りつけましょう。着物を貼りつけ終わったら、後は画用紙に男雛・女雛の顔を描いて、顔部分にしっかりと貼り付けます。小さい子のクラスでは、男雛・女雛の顔は保育士で作成しておくのも一つの手です。

2. 壁面飾りをつくる

桃の節句なので、桃の花の壁面飾りを製作すると、華やかな雰囲気になるでしょう。たくさんの花の形を切り出す時間がない場合は、花型のクラフトパンチで作成するのもおすすめです。たくさん切り出した桃の花の画用紙は、園児達に大きな模造紙に自由に貼り付けてもらいます。ウグイスも画用紙で作っておくと、より春らしさが出るでしょう。

3. ひなまつりの歌を覚える

ひなまつり当日に向けて、手遊びを交えながらひなまつりの歌を覚えていきます。当日まで繰り返し歌って気分を盛り上げることで、園児達がひなまつりのイベントを心待ちにしてくれるでしょう。

ひなまつりを行う意味を子ども達に教えよう！

子ども達に行事に関心を持ってもらうために、ひなまつりの知識を身につけてもらうのがおすすめです。クイズ形式で出題すると、子ども達も何故ひなまつりを行うのか、楽しみながら覚えられるでしょう。小さな子のクラスでは、絵本や紙芝居を通してひなまつりを知ってもらうのも手です。