保育士の採用基準とは?設定が必要な理由と採用基準例
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「採用基準」という言葉をご存じでしょうか?聞き馴染みのない人もいるかもしれませんね。採用基準とは、「面接の際に合否を適切に判断するための評価基準」をいい、一般企業と同様に保育園でも設けられています。今回は採用担当をする可能性のある人向けに、保育園が採用基準を設ける理由や保育士の採用基準例を紹介します。
採用基準を設ける理由
面接の際に利用されている「採用基準」。なぜ必要なのでしょうか。採用基準を設けるのは、次のような理由があるからです。1つずつ見ていきましょう。
- 採用活動をスムーズにするため
- 保育士の早期の退職を防ぐため
- 評価を公平にするため
採用活動をスムーズにするため
採用基準を明確にすることは、採用者をスムーズに決めることにつながります。新卒採用などでは、複数人の選考をおこなう場合もあります。基準がなければ選考に時間がかかってしまいますが、基準が決められていることで選考がしやすくなり、スムーズな進行が可能になります。時短につながります。
また園が求めている保育士像を具体的にイメージすることもできるでしょう。
保育士の早期の退職を防ぐため
保育士の早期退職を防ぐためにも有効です。採用基準を設けていない場合、あいまいなまま採用してしまうケースがあります。応募者も園が求める保育士像をつかむことができず、採用後に「雰囲気が違う」「保育方針が合わない」と早期退職してしまう可能性もあります。どのような人材を求めているのか・園の保育観などを求職者に伝えることでお互いに合意ができ、早期退職を避けられるでしょう。
評価を公平にするため
評価を公平にする点でも、採用基準は役立ちます。多くの保育園では、園長が面接をおこなう可能性が高いですが、代理の人がする場合もあります。その際、基準を設けていないと面接する人によって選考に違いがでてしまいます。採用者の決め方の基準を決めておくことで、公平に選ぶことができます。
保育士の採用基準の例
採用基準を設ける際には、保育園が求める人物像が明確になるようにしましょう。保育士の採用基準例を紹介します。
勤務条件
勤務条件には、給与や勤務時間などが含まれます。保育園の多くは延長保育がおこなわれています。7:00に開園するところや、20:00まで開いている施設などさまざまです。給与に関しても、経験年数を加味するか否かなど、選考基準はさまざまでしょう。こうした条件を明確にしておくことで、求職者とのすり合わせが可能になります。
経験
前職での経験やアルバイト経験などは、求職者の価値観を知る1つの基準となります。たとえば、転職回数が異常に多いと「うちの園でも、すぐに辞めてしまうかも」と不信感を持ってしまいませんか?また中途採用の場合は、経験年数を聞くことで、どの程度の経験があるのかが一目瞭然になります。過去の保育園から自園の保育観と合うかどうかの判断もしやすくなるでしょう。
能力
コミュニケーション能力や協調性なども基準のひとつになります。保育園では職員や保護者、地域の人とのかかわりも多く、コミュニケーション能力や協調性は必要不可欠です。
- 基本的なマナーはありそうか
- 職員と協力できそうか
- 言葉遣いはきれいか
- 表情は明るいか
- 適度な清潔感はあるか
上記のようなチェックポイントを設けてみましょう。
スキル
スキルの項目を設定しておくと役立つときがあります。たとえば、ピアノや英語スキル。保育園では生活発表会や卒園式のときにピアノ演奏をおこなうこともあるでしょう。誕生会などで伴奏をするシーンもあります。リトミックなどの音楽に力を入れている園にとっては、心強い人材を見つけられる項目になるでしょう。また最近では、英語教育に力を入れる園も増えてきているため英語スキルをもった保育士も魅力的ではないでしょうか。どのようなスキルを持った人を求めているのか、決め方を明確にしておくとスムーズです。
選考・採用はスピーディに
面接の時期が「運動会」などの多忙な時期と重なる場合もあるかもしれません。しかし選考・採用までの期間が長いと、求職者が辞退してしまう可能性も考えられます。せっかくの機会が無駄になってしまってはもったいないですね。選考に悩む気持ちはわかりますが、なるべく程度スピーディにおこなうと求職者からも好印象です。
まとめ
保育士の採用基準を決めておくことで、求職者とのすり合わせがおこなえるので、双方にとって有効です。とはいえ、評価の基準を厳しくしすぎるのは要注意です。厳しすぎる基準では、採用に至る保育士がいなくなってしまう可能性もあるからです。これでは人材確保のための面接が本末転倒になってしまいます。妥協できる点も見つけながら、現在の状況に合った基準を設定することが重要といえるでしょう。採用基準をうまく活用し、園にとって・応募者にとって、よりよいご縁につなげたいものですね。